せつない世代のまったりカフェ。2006年、私とあんとん会長(下記リンク先)により発足し、副会長の私が放置しつつ運営ちう。ツイッターはhttps://twitter.com/setsunaiotona


by 椿(せつないオトナの会)

幸運と、幸福、と。

結構前ですが、散文・・とか小さい小説のようなものを書いていた時期があります。
メインのブログをはじめた頃、少しずつそういうのも書いていました。
当時まだ、アクセスもそれほどなかったので
あまり人の目に触れることはなかったわけですが、自分のなかで昇華させたいものがあったりするので、こちらでも再度アップしてみようかな・・と思います。
(少しだけ加筆・修正あり)

なお、この作品は、「実話」です。 
私の当時書いていたものは、なぜか一人称が「僕」が多かったんですね。


・・・・人にはそれぞれ「幸運」「幸福」があります。 若いときに私がであった方々のことを、この頃よく思います。 そしてせつない気持ちになったり、しばしば、します。




「幸運と、幸福」



ある日
僕は通りを歩いていて
彼らに出会った

おじさんと
おじさんより大きな2匹の犬


犬の名前をきいてみた
ハッピーとラッキーや。うれしそうに言う。

おじさんのなまえは知らない

おじさんはリヤカーに段ボールをいっぱい積んでいて
ときどきは段ボールを敷いて
仲間と酒盛りしたり
ひとりで酒盛りしたり
寝ていた。



2匹の犬は
とてもおとなしくて賢かった
いつもおとなしくお座りしてた

ハッピーはハスキー犬
ラッキーはなにかの雑種

僕はそこをとおるたび
ハッピーとラッキーをみつけたら
ちかよって頭をなでていた

おじさんはいつも同じ話をした
いつも酔っぱらっていたけど・・

「犬には犬用のえさをやらんとな」
「のみとりの首輪もたかいもんやな」
ハッピーとラッキーの前には
ドッグフードの缶詰
おじさんはいろいろまざったスペシャルカクテル

いつも夜
たいていおなじところに彼らはいて
通る人たちの何人かが犬たちをみつけて
近寄ると
おじさんは本当にうれしそうに
「ハッピーとラッキーや」
と教えていた

近寄る人は少なかったけど

そのうち僕も
しばらくその町にあまり行くことがなくなった

何年かたって
テレビのドキュメンタリーで、
古紙の値段が暴落したと言っていたのを思い出す

おじさんはどうしたかな

その町へ行っても、もう見かけなくなった



たまにあの町へ行き
あの通りを歩くと
僕はいまでもさがしてしまう

おじさんを
ハッピーとラッキーを
みんな
忙しいから
彼らがいなくなったことに気づいてないかも

誰か僕以外に
彼らのこと
憶えてる人がいるのかな

おじさんを
ハッピーとラッキーを
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by tsubackey2 | 2006-11-09 10:19 | あれから僕たちは